2021年~共通テストに向けて~平均5割の試験はどのような内容になると予想されるか~。
カテゴリー:共通テスト
みなさんこんばんは。高上代表 佐藤一行です。ついに12月に突入し来月には共通テストもきますがいかがお過ごしでしょうか?
本日は、共通試験の難易度についての予想を書きたいと思います。
今までと一体どう違ってくるのでしょうか?
目次
センター試験は平均点が6割になることを目指して作られた試験だった。
これは聞いたことがある生徒も多いでしょう。センター試験とは、平均が6割になるように作られた試験でした。よって、時には、国語や英語、数学IAなどを中心に平均が7割近いこともあり、その難易度は年によってかなり振れ幅が大きかったものです。そもそも受験生の力を予想し、正確に6割の難易度を出すということは出題者としてもかなり難しい作業でしたから。
今回の共通試験では、得点目標が5割になるように作られる。
これはかなり多くのサイトで出回っている情報です。
この情報に関して、本日は少し詳し目に語っておきます。
➀難易度は得点目標によってはかられる。
得点目標とは、問題を作成した段階での受験生の得点予想のことです。大体6割取れるようにして作ったものがセンター試験。一方、共通テストの目標得点は5割。こう聞くとなんだか難しくなるような気がします。
②下方修正を含んだ数字である。
ただよくよく見てみると、結局は形式に慣れていないことからくる、下方修正的な意味合いもあるようです。数学のストーリー問題などその最たる例ではないでしょうか?慣れていないと、戸惑う受験生も多そうです。また英語においては、SVOCなどと品詞分解をしなくては気が済まないとか、語彙力がないから内容の予想ばかりしているなどの理由で、読むのが遅い受験生にはつらい変更となるでしょう。
③結局難易度自体はどう感じられるのか?
はっきり言って、難しくなると私は思います。安易に形式慣れしていないからという理由以外に、です。そもそも形式が変わると言っても、思考調査程度の変更内容で、平均点が5割になるとは私には到底思えない。そうなると難易度自体が上がることが予想される。これには理由がありまして、今回の問題、数学IAで70分になったこと、結局は出ませんが、割と最近まで国語や英語で記述式の導入に重きを置く発言を繰り返していたことなどから、やたらと思考力にこだわる姿勢は目についてきていました。今までのセンター試験においても、知識偏重では解けない問題を作りたいとの理念を掲げながら、結局知識偏重的な問題はかなり多かったので、その反動と言えるかもしれまん。
結果として予想されうる展開
難易度が上がる場合には大きく分けて二つの傾向があります。その一つは時間切れを起こさせようと言う物です。
➀問題量が増えるのか?
私はこれはないと思います。試験時間を数学IAなど70分にしたのに、問題数を増やしては、時間を増やした意味がないからです。今まで散々時間が足りないと言われ続けてきたであろう、大学入試センターは、その点はかなり意識して作ると思われます。
それではどのような変更を施して問題の難易度をあげるのか? カギはやはり、共通テストのルールブックとでもいうべき教科書にあるでしょう。
②教科書の根本的理解を問われるのではないか?
思考力をマーク形式で問おうとした場合、問題の難易度が上がるのは当たり前です。ただそれはあくまで教科書をもとに作られた問題。ただし、教科書とは、毎日学校で使っているはずでありながら、多くの受験生はいまいち理解しきれていないものなのです。そもそも分量自体も少なくない。3年生になったら1年生の教科書内容を忘れているなどザラ。捨ててしまっている学生さえ多いでしょう。その分量に関して言えば、市販の売れている参考書と見比べてみても、その差は歴然です。(責任感のある執筆者の場合、『この参考書は教科書の内容が削られてできたものです』ときちんと書いている場合さえある。)
教科書の根本的な理解を問われた場合、たちどころに多くの受験生が大苦戦することになります。それはかつてのセンター2Bで微分の定義を問われて、limが出てきただけでパニックを起こした事例からも容易に推測できます。
limなど、数学2bの教科書にもきちんと書いてある事柄なのに。
そもそも微分を理解しようとするのに、limの表面的な理解さえできていないのでは、話にならないのに、です。
よって、教科書の理解を問われるような形式の問題が増えると思われます。
こう聞くと、形式変更が恐ろしいものに感じる受験生も増えるかもしれません。ただ、そんなことばかり気にしていても仕方ないのです。
形式変更について。
そもそも形式などと言う物にとらわれている受験生は、大抵が形式にこだわっているふりをして、受験生気分を味わって現実逃避しているようにさえ見えます。
形式が変わろうが、結局はみなが同じ問題を解く。しかも、それはみなが持っている教科書をもとに作られるのです。
教科書によって多少の特色の違いこそあれど、みな同じ土俵に立っているのです。
形式、形式とあせらずに、きちんと教科書の理解ができているのかどうか? 甘いのであればその範囲をyoutubeのtry itで確認するだけでもだいぶ違ってくるのです。
いたずらに細かい知識ばかり頭に入れても仕方ありません。
数学では定義をきちんと理解すべきですし、英語では、本当は学校の教科書をきちんと理解できていれば、あの程度の分量は容易に読みこなせるのです。
それではどうするべきなのか?
➀センター追試の活用。
私は、ひとつに今までのセンターの追試験がカギになるのかな?と思っております。今までも追試験で出題されていた問題が、本市電で登場することは、しばしばありました。源氏物語などその一例です。(本試で出てきた時は多くの受験生を驚かせたが、実際には追試ですでに出ているた。もちろん出題箇所こそ違ったが、出典は同じということ)
形式にこだわるあまり、思考調査ばかりといていてもしかたありません。
ああいう模擬系、調査系の問題というのは、得てして本番よりは簡単になることも多いのです。
センター試験の追試であれば、普通に受験生に解かせた場合、平均点も5割前後になる難易度ですから、一つ目安になると思われます。分量も本試にくらべべらぼうに増えるということはありませんでした。
②記述試験の活用。
9割以上を安定させて位のであればこれも避けては通れないかと思います。記述することで、その解法を使っている理由を自ずと言語化することになるので、数学のストーリー問題対策にもなるでしょう。
当然の話ですが、高上では、すでにこの➀、②を十分に加味したうえで、生徒一人一人に演習をさせています。
総括
コロナ禍に始まり、学校の授業も削られ、問題の形式まで変わる。
さらには、今年の受験生は、理数系の科目を中心にかなり計算力が不足しているように思います。普段、嫌われている定期試験ですが、理系科目において、あの定期試験の果たす役割はそれなりに大きいのです。
さりとて私は今年の受験生を安易に気の毒などというつもりは毛頭ありません。
自粛期間が長かったのであれば、それだけ自分で教科書を使って勉強をすることができた。
そして、コロナ禍がこれから深刻化しても、共通テストを中止することはまずないであろうとも言われています。
チャンスは受験生みなにあるのです。
結局は、大学とは勉強をするためにあるもの。高校の教科書で勉強することすら嫌がる学生が行って一体何にになるのでしょうか?
一部の学生しかいないでしょう。なかなか塾にも行けなかったかもしれません。しかし、その一部の本気で教科書に取り組んで、猛勉強してきた学生の力を見てみたい。
私にはそんな願望さえあるのです。
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コロナ禍にて記す。
高上代表 佐藤一行