浪人して受かる生徒と受からない生徒。スタート地点の差は大きい。凡人の努力はかくも空しい。
カテゴリー:大学受験
みなさんこんばんは。高上代表佐藤一行です。
第二回全統マークが終わりました。結果はいかがでしたでしょうか? 正直浪人しているのに、今の時期模試を受けていないなど論外です。そういう生徒はそれ相応の報いを自分で受けることになるだけですので、私は正直どうでもいいのですが、受験は多くの学生にとって甘くない。懸命に勉強していても今回の全統マークにおいて、きちんと得点できずに落ち込んでいる人も多いでしょう。
そんな生徒を救うためにも、今回は受験生によくある失敗例を中心に語ります。
目次
よくある失敗例
①単語を覚えていない
このサイトでも、英検のサイトでもしつこいくらいに言い続けてきましたが、受験英語ができない人は全員、間違いなく語彙力がありません。単語の勉強をしているといっても、模試でみたら「見たことがある」と感じただけで、意味まで分からなかったのではないでしょうか?
見たことがあるというのは過渡期であり、これからの勉強次第でまだ改善の余地がありますが、本番までに間に合わなければ、
「勉強をそれなりに頑張ってきて、見たことがあるけど、意味が分からない」
も
「遊んでてろくに勉強をしてこなかったため、見たことがなくて、意味も分からない」
にも、大差はありません。両者等しく不正解になって終わりです。
②単語を書いて覚えようとしている。
これもよくある失敗です。書いて単語を覚えると頭に入る気がするかもしれませんが、とにかく時間がかかります。覚えるまでに普通の人は単語帳を何周もしなければならないのであり、その為には書くという行為は不向きです。そもそもセンター本番では英語を書かされることはないし、京大を目指している場合などを除き、英作文でもセンターレベルの単語を全て正確にかけるようになる必要はありません。受験英語の英作文は非常に低いレベルで勝負が決まっているのが実情です。
③そもそも単語を読めない。
高上では、生徒本人に発音をさせています。講師と一対一であり、周りに誰もいないので、発音を間違えても何も恥ずかしがることはありません。そうして指導している経験上わかることは、英語が苦手な子はそもそも英単語自体を読めないのです。日本人なので訛っているとかそういう話ではなく、それ以前に prepareを「ぷらぺあー」と読んでしまうレベルで間違ってしまっているのです。
その場合自分で勉強するうえで必要となることはただ一つ。英文をみながらCDを何回も聴いて発音を耳でお覚えましょう。もし速くて聞き取れない場合は、「一分間英文法」のCDを聴くとよいでしょう。かなりゆっくりですし、文法の勉強にもなります。
④同じ単語帳の繰り返しばかりしている。
これもよくあるパターンです。よく聞く意見として
「一冊の英単語帳を徹底的に繰り返し、それを完璧に仕上げたほうが良い」
というもの。
しかし、ここで厳しいことを言っておきますが、単語帳一冊で受かるほど受験は甘くありません。私がセンターを失敗する例として、ターゲット1400一冊すら覚えていないと時々言うのは、そんな甘い努力さえできていないことを批判してのことです。
実際、単語帳で見る英文と、本番で見る英文は違うのです。違う文章で見た場合、あなたはそれをきちんと見分けられるでしょうか?
例を挙げます。
単語帳 例 She has determined to go abroad.
模試の英文 例 They have analyzed the date carefully and determined the cause of the incident.
この上の英文と下の英文で意味の違いが分かりますか?
上は、「彼女は海外に行くことを決心した」の意味に過ぎませんが、
下は、「その人たちは、データを注意深く分析し、その出来事の原因を特定した」
の意味になるのです。
こうやって同じ単語でも意味は複数あるのは基本ですが、下手をすれば、同じ英単語が違う文章で使われただけで、意味が分からなくなる例は多々存在します。
結局初見の英文の読み込みが足りていないのです。
⑤定着する前に多くの単語帳に手を付けすぎている。
これもよくある優柔不断なパターン。私はユメタンの使用などは即刻止めるよう指示することが多いですが、そのほかの単語帳は、生徒の使用状況によってはそのまま継続を指示することもあります。
何かの英単語長を使っていて、それで覚えられないからとまた次の英単語帳をすぐに使う。これもまた効率が悪いのです。
高上では、④の自体も⑤の自体も避けられるよう、プロである講師が責任を持って、単語帳の選定をし、暗記の確認をすることで効果を出し続けています。
⑥過去問を演習していない。
全統マークを受けてみてどんな感想を持ったでしょうか? 思ったよりも英文が長く、80分では足りないとか、途中で集中力が途切れてしまったと思った受験生は多いのではないでしょうか?
これまた厳しいことを言うと、あの程度の英文くらい、今の日本では小学生でも難なく読みこなすのです。
それくらい英語ができる一部の生徒と、英語が苦手な生徒の差が開いてしまっている。
大学受験委受かればいいわけで、別に小学生で読めるようになる必要はないのですが、あの程度の英文でばてるようでは話になりません。
きちんと本番で読めるようになるためにも、80分で演習をするのはとても大事なことなのです。
ただ、私は受験生目線の勉強を提示する男です。受験生にただ勉強をしなさいとは言いません。
これからの時期、80分の演習をする時間を取るだけでも正直かなり大変でしょう。
その場合、私が勧めているのは、シンプルに
センターの過去問の場合
大問1~4まで40分。(一日目) 5、6を40分というものです。(二日目)
これなら毎日英文を読む練習にはなるので(センターの第3、4問は読解問題なので)、読解力が落ちることもありません。
⑦文法を理解できていない
文法を理解できていない生徒は多いです。単に4択の問題ばかり問いていても英語の苦手な生徒はそれだけで分布力は尽きません。ここで文法力と一言で言っても、説明は長くなるので、今日は詳しくは言いませんが、私の言う文法力とは端的に言うと「正しい英単語を正しく並べる力」だと思ってください。
He seems to have been clobbered by her.
などと言われて、なぜto have beenという語順になっているか分かりますか? ここら辺が分からないと、受験生には上の文章の理解はできないでしょう。上の英文の訳はあえて載せません。(わからない方は知らば得るなり、私に遠慮なくご質問ください)ただし、受験のレベルより高いものなのでわからなくても構いませんが、clobberという言葉一つとってもいかに英語が多様な表現を好むのかよくわかります。
⑧文法ありきで英文を理解しようとしている。
私は職業柄、文法の質問をうけることもよくあります。
その中で私が軌道修正をはかるのは主に次の場合です。
生徒「先生。You look tired.」
のtiredって過去分詞ですよね? looked の後には形容詞が来るって(別の先生に)習ったんですけど、過去分詞でもいいんですか?
こういうとき、私はこういう解説をします。
「いいかい?過去分詞は、形容詞としての働きをすることもある。そういうのを過去分詞の形容詞化とか言う。ただ、そんなことはどうでもいいんだよ。この場合、『君「が」疲れさせられた』という関係があるでしょう? そこが大事なんだよ。そこが理解できたあとは、この表現を丸ごと覚えればそれでいい」
言いたいことは伝わりましたか?
何々のあとには品詞でこれが来る的な覚え方をしていると、受験英語一つとっても非常に学習は困難になります。英文法は、数学や物理とは違い、所詮人間の話している言葉に後付けてルールを見出しているにすぎず、例外が多く存在するからです。(その場合また後付けてルールができる。)
よって私は基本的な概念、なぜその言葉が使われているのか(この場合、tiringではなくtiredである理由)を説明したら、あとはどんどん暗記させていきます。
英文法の理解したければ、山口の英文法講義などは、私の大嫌いな5文型を使っていることを除けばそれなりに読みやすく、受験英語での文法の理解もしやすいです。
⑨音読ができていない。
音読をできない生徒も多いです。音読は効果が高いことは、私も頑張り屋な生徒を通してすでに認識しているのですが、毎日30分からでも音読するのはかなり大変な作業と言えるでしょう。
そこを根性で乗り切れと言いたいところですが、苦しい努力はまだ18やそこらの若者には継続は困難なものなのです。その場合、勉強を辞めてしまうのではなく、問題集を解いてでも単語の暗記をするといいです。ターゲットには問題集が、速単の必修編にはノート。そして、パス単にも丁寧にノートが発売されていますから、赤シートを使うなりしてうまく使用するといいです。(愚直に丁寧に書き込んで勉強したりはしないこと。それを良しとする方は、このブログをもう一度読み直してください。)
⑩やればできるという根拠のない自信がある。
これも実は多いパターンです。今までに定期テストなどで少し努力していい点数を取れたことがあるからとか、なんとなくちょっと努力すればできるようなるというような変な自信を抱いていませんか? そう。暗殺教室の初期の赤羽カルマのように。
カルマは努力しても最終的にあの程度の数学の問題で苦戦していましたが、現実問題、やればできると思い込んでいる受験生は多いです。
ただ、私はやってもできない受験生を数多く目の当たりにしてきました。勿論、目の当たりにしてきただけで、私は指導していない生徒たちなのですが。
根拠のない自信を持つよりも、現実を受け止めて冷静に努力するべき時なのです。
総論
努力をしなかったから落ちようが、努力したのに落ちようが、結局不合格であることに変わりはありません。そして、浪人しても落ちたり、現役で入ればいいところ浪人して一年を棒に振るなど輝かしい若さの浪費にもつながりかねません。
私は、自分の生徒はとにかく合格させることを目標に時に生徒努力代行をしている気分にさえなりますが、結局は受験には合格者と不合格者。勝者と敗者しかいないのです。
他人との競争ではなく、自分との闘いとはよく言ったものですが、自分との闘いに勝ったとしても、他人より点数が低ければ落ちるのです。
当たり前の話ですが、若い受験生たちには、その事実をきちんと認識してもらいたいものです。