2016年度センター試験 第4問 A 通称オレンジ 全文訳と解説。
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2016-第四問(通称オレンジ)
全文訳
アメリカの消費者たちは量が多くて多様な種類の新鮮な果物の恩恵を受けてきた。特に1990年代以降に、である。今日の食料雑貨店の果物や野菜コーナーには一年中、数十個もの異なる種類の新鮮な果物が展示されていて、それらは国内の新鮮な果物に追加される形で、世界各地のあらゆる場所から輸入されているのだ。
新鮮な果物の輸入の急激な増加は、アメリカの果物市場に様々な形で影響を与えてきた。例えば、オレンジはアメリカ産の主要な果物である一方、1990年位以降、アメリカの穀物が経験した寒冷時におこった急激な増加とともに、アメリカのオレンジの輸入量は、安定的に増え続けてきた。(図1参照)
アメリカの国内市場は、様々な国、地域からオレンジの輸入を受けてきた。主要な供給元の中には、長期間そうしてきたメキシコがある。しかし、アメリカの一年を通しての新鮮なオレンジに対する強い需要を背景に、南半球の国々も、国内のネーブルオレンジが手に入らない夏の数か月間の間特に、主要な供給源となってきた。オーストラリアがその先駆けで、1990年代初頭、アメリカ政府からアメリカ国内への輸出許可を得た後、ネーブルオレンジの輸出を開始したのだった。オーストラリアに、南アメリカが1990年代後半に続き、最近だと、チリもそれに追従している。
アメリカでは、国内で二つの主要なタイプのオレンジが作られている。ネーブルオレンジとバレンシアオレンジである。ネーブルオレンジは実際、種が入っていなくて、果肉は簡単に分けることができ、水っぽいというよりは寧ろ固いオレンジで、食用のオレンジとしては、最も人気がある。2010年から2012年の間、ネーブルオレンジのアメリカのオレンジ市場での生産高の占有率は76パーセントでありあった。対照的に、バレンシアオレンジは、薄い皮といくつか種が入っていて、瑞々しくて甘い果肉が特徴であり、同時期に24パーセントの占有率であった。アメリカのオレンジ生産のトップであるカリフォルニアは生鮮市場において、87パーセントのネーブルオレンジと、81パーセントを越えるバレンシアオレンジを生産した。
国内の生鮮市場におけるオレンジの主な収穫時期は、11月から5月においてであり、その時期はカリフォルニアのネーブルオレンジの時期なのである。しかし、6月から10月にかけては国内で生産され、配達されるオレンジの量は急激に落ち込んでしまう。以前、新鮮なオレンジの輸入が国内使用のごく一部しか占めていなかった頃、バレンシアオレンジは、ネーブルオレンジの端境期に人気のある種類だった。しかし、図2が示すように、南半球の国からのネーブルオレンジの輸入は、夏のアメリカのオレンジ市場を支配してくるようになってきた。
季節折々の生産パターンがあるので、メキシコ産のオレンジの多くはアメリカの生産量が比較的高い12月から6月にかけて、市場に出回っている。対照的に、南半球の国々からの輸入はアメリカでの供給が比較的少ない、7月から10月にかけて、が主である。この傾向は、他の多くの果物においても同様に見られている。
問1 図1において、ABCDは何を指すか?
答え② (順にオーストラリア、メキシコ、南アフリカ、チリ)
理由
『主要な供給元の中には、長期間そうしてきたメキシコがある。』と、『オーストラリアがその先駆けで、1990年代初頭、アメリカ政府からアメリカ国内への輸出許可を得た後、ネーブルオレンジの輸出を開始したのだった。オーストラリアに、南アメリカが1990年代後半に続き、最近だと、チリもそれに追従している。』
との記述から、容易に②(オーストラリア、メキシコ、南アフリカ、チリ)とわかる。
問2 この文章によると、ネーブルオレンジとバレンシアオレンジの違いを正確に表しているのはどれか?
選択肢訳
①ネーブルオレンジには、バレンシアオレンジよりも種が少ない。
②ネーブルオレンジはバレンシアオレンジよりも水分が多い。
③バレンシアオレンジは、ネーブルオレンジよりも冬には人気が高い。
④バレンシアオレンジはネーブルオレンジよりも、新鮮な果物を食べるにことにおいて、適している。
答え ①
理由
『ネーブルオレンジは実際、種が入っていなくて、果肉は簡単に分けることができ、水っぽいというよりは寧ろ固いオレンジで、食用のオレンジとしては、最も人気がある。2010年から2012年の間、ネーブルオレンジのアメリカのオレンジ市場での生産高の占有率は76パーセントでありあった。対照的に、バレンシアオレンジは、薄い皮といくつか種が入っていて、瑞々しくて甘い果肉が特徴であり、同時期に24パーセントの占有率であった。』
との記述から、①が正解である。
他は全て違う。②は水分が多いのはバレンシアであり、③は冬に人気があるのはネーブルの方である。④はどちらが適しているとの記述はそもそもない。
問3 この文章の主題はなにか?
①アメリカのオレンジ生産の季節による移り変わりを説明すること。
②ネーブルオレンジとバレンシアオレンジの違いを説明すること。
③アメリカのオレンジの生産量と輸入の関係を説明すること。
④アメリカ産のネーブルオレンジの品質を高上(ん?)させること。
答え ③
理由
第二段落、最終段落から、アメリカ産オレンジと輸出品の関係を述べていると判断できる。①、②は一部分に過ぎず④は論外である。
問4 最終段落に最も続きそうな一文は何か?
①アメリカから南半球の国への他の果物の輸出率について。
②ほかの果物の輸入の、季節による変化を示す統計。
③南半球からのネーブルオレンジの輸出方法。
④アメリカとメキシコで共通して作られている果物の種類。
答え ②
理由、もろ最後に
『この傾向は、他の多くの果物においても同様に見られている。』と書いてあるのに何の説明もない。
総評
受験生が難しいと、嘆いていたので読んでみたら、訳を作っていて正直愕然とした。
受験生の立場に立っても、非常に解きやすい問題、サービス問題である。
どうせfleshやseedと言った単語が分からなかったり、図が二つになったくらいで焦ったのであろう。こんな英文さえ短時間にまともに読めないのでは、
一体高校の三年間何を勉強してきたのか?
と言いたくなる。
英語の授業などほぼどの高校も毎日のようにあるのに、いったい何を教えているのだろうか?
もう高校の授業とか、毎時間単語テストを50分くらいかけてひたすらしてくれた方がまだ良い。
こんな問題を出題するから、慶應大学はセンター利用を廃止し、私も受験生に
『センターなんて舐めていけ!!』
とのアドバイスをする羽目になるのだ。
繰り返すが非常に単純な問題である。
この程度の英文がさっぱりだった受験生は、正直もう今季の受験英語は手遅れだが、読めなかった高2生がいれば一年後は余裕をもって笑いながら読めるようになってもらいたいものである。